2021スーパー耐久シリーズ 鈴鹿 Rd. -後編-

日曜日の決勝日

台風が通り過ぎたあとの朝は、気持ち良く晴れた鈴鹿サーキット。暑く(熱く)なりそうな予感。

いよいよ5時間耐久レースの始まりです。

スタートドライバーは霜野選手。

接触により一度はライバルに前に行かれたものの、激しいバトルの末に抜き返しピットは大盛りあがり!あの瞬間のYoutube S耐TV視聴率は最高だったんじゃないかと思うほどにカッコよかった!

そして霜野選手から芳賀選手にドライバーチェンジ。

芳賀選手には、なぜか『大丈夫、何も怒らない』という安心感があります。

トップをキープしたまま芳賀選手から、いよいよ僕にドライバーチェンジ

とにかく無事にチームのもとに帰ること。耐久レースでは繋いでいくことが大事。繋げないとそれで終わってしまう。そして安定ラップを刻んで、車の状況を掴みつつ乗り方を変えてたんたんと周回を重ねていき、無事にピットイン。

最後に蘇武選手にドライバーチェンジ。

――前回の2019年の岡山ラウンドもそぶりん(蘇武選手の愛称)だったなぁ……

ドラチェンも練習通り。無線のチャック、ドリンク、5点ハーネス、ネット。ドア閉める前に、確認した。まるで、ホテルのオートロックのドアを閉める前のように……。

あとは頼んだ!

ピットでメカニックさんから『グッジョブ!』の一言。この言葉が一番嬉しかったです。

蘇武選手にはいつも期待しかありません。エースドライバーってそんな存在なんだなと思います。チームみんなの期待を背負って走る……それに応えるように、タイムとラップを刻んでいく。

タイヤ交換と給油を終え、いよいよライバルとの一騎打ちのバトルに。ピットインの回数がライバルチームより1回多いので、タイム差は13秒前後。その差をどんどん縮めて行っている矢先にタイヤのトラブルで緊急ピットインとなり、結果2位でフィニッシュしました。

エースドライバーがマシンから降りてきて、ヘルメットを脱がず椅子に座ったまま下を向いている……。おそらくその場にいた全員に、蘇武選手の気持ちが伝わっていたのではないかと思います。

思い返せば、ああすれば、こうすれば、と自分が走行中にもっとできることがあったのではないかと考えずにはいられません。過去一番悔しいレースだったかもしれません。表彰式ではあまり笑えなかったけど、数日たった今では、次こそは!と思います。

今回の鈴鹿ラウンドでTEAM NOAH『おとぎの国 CIVIC TCR』は2021年シリーズチャンピオンを獲得しました。

最後になりましたが、一緒に走ってくれたチームメイトのドライバー、そしてチームオーナーをはじめ、監督、メカニック、エンジニアやマネージャーの皆さんにも本当に助けられて走ることができました。素晴らしいチームで走ることができたことを心より感謝しています。有難うございました。

まだまだ未熟ではありますが、今回の悔しさも一緒にまた成長できるよう頑張っていきますので、今後とも宜しくお願い致します。